生活を立て直す給付ガイド

住居確保給付金

離職・廃業などで住まいを失うおそれがある人に、家賃相当額を有期で給付する国のセーフティネット制度。

仕事を失って収入が途絶えたとき、いちばん先に困るのが家賃です。住居確保給付金は、離職や廃業で家賃が払えなくなりそうな人に、家賃相当額を原則3か月、最長9か月支給する国の制度です。給付は本人ではなく大家に直接支払われ、返す必要はありません。この記事では、対象になる人、支給額の上限、求職活動などの条件、申請の窓口と流れをまとめます。

  • 離職・廃業から2年以内、または収入減で同程度の人が対象
  • 家賃相当額を大家に直接支払う仕組みと、地域ごとの上限
  • 収入・資産・求職活動という3つの要件
  • 申請の窓口は市区町村の自立相談支援機関

制度の基本情報

住宅支援 全国対象
実施主体
厚生労働省(実施主体は福祉事務所設置自治体の自立相談支援機関)
給付・助成内容
家賃相当額を自治体が大家に直接支払う。原則3か月、誠実な求職活動継続で最大9か月まで延長可能
対象条件
離職・廃業後2年以内、または休業等により収入が離職・廃業と同程度まで減少した方で、収入・資産が一定基準以下であり、誠実に求職活動を行うことが条件。支給上限額は地域の生活保護基準により異なる。
申請方法
居住地の自立相談支援機関(福祉事務所設置自治体の窓口)に申請。

公式サイトで最新情報を見る →

2026年7月31日 時点の公式情報をもとに整理しています。金額・期限は改正されることがあるので、申請前に公式サイトでご確認ください。

結論:家賃相当額が原則3か月、最長9か月支給される。返済は不要

住居確保給付金は、生活困窮者自立支援制度のひとつです。実際の家賃額(上限あり)を、自治体が大家や不動産会社に直接支払います。本人の口座に振り込まれるのではなく、家賃の支払いが代わりに行われる形です。

支給額実際の家賃額。ただし地域ごとの上限(生活保護の住宅扶助基準額)まで
支給期間原則3か月。求職活動を誠実に続けていれば3か月ずつ2回延長でき、最長9か月
支払い先大家・不動産会社に自治体が直接支払う
返済不要(貸付ではなく給付)

上限額の例:東京都(1級地)の場合

世帯人数上限額(月)
1人5万3,700円
2人6万4,000円
3〜5人6万9,800円

※ 上限額は市区町村と世帯人数で異なります。家賃が上限を超える場合は上限額まで、下回る場合は実際の家賃額が支給されます。お住まいの自治体の額は窓口で確認してください。

東京の単身者で家賃6万円なら5万3,700円、家賃5万円なら5万円が支給される計算です。3か月で約15〜16万円、9か月なら約45〜48万円の家賃負担がなくなります。

対象になる人:離職・廃業から2年以内、または収入が同程度に減った人

入口の条件は次のどちらかです。

  • 離職・廃業した日から2年以内であること
  • 休業などにより、収入が離職・廃業と同程度まで減少していること(給与が大幅に減った、フリーランスの受注が途絶えたなど)

さらに、次のすべてを満たす必要があります。

項目要件
生計維持離職・廃業の前に、世帯の生計を主として支えていた人であること(同程度の状況を含む)
収入世帯の月収が「基準額(市区町村民税が非課税になる収入の12分の1)+家賃額」以下
資産世帯の預貯金などが「基準額×6」以下(上限100万円)
求職活動ハローワークに求職申込みをし、誠実に求職活動を行うこと
その他国や自治体の同じ趣旨の給付を受けていない。暴力団員でない

収入の基準額は自治体で異なりますが、東京都の単身者で月8万4,000円程度、それに家賃額を足した金額が収入の上限の目安です。家賃6万円なら月収14万円程度まで、ということになります。失業手当を受けていても、その額を含めた月収が基準以下なら対象です。

受給中の義務:求職活動を続ける

住居確保給付金は「就職して生活を立て直すまでの家賃を支える」制度なので、受給中は求職活動が義務です。おおむね次のことが求められます。

  • 月に4回以上、自立相談支援機関の支援員と面談する
  • 月に2回以上、ハローワークで職業相談を受ける
  • 週に1回以上、求人に応募するか、企業の面接を受ける

回数は自治体によって多少異なります。これらを怠ると、支給が中止されることがあります。逆に、誠実に続けていれば3か月ごとの延長が認められ、最長9か月まで受けられます。

フリーランスとして廃業した人が、再び個人事業で立て直す場合は、自治体によっては「就労に向けた活動」として事業再建の取り組みを認める運用もあります。窓口で相談してください。

申請の窓口と流れ:市区町村の自立相談支援機関へ

申請先はハローワークでも役所の生活保護課でもなく、各市区町村に設置されている「自立相談支援機関」です。市の福祉課の中にある場合や、社会福祉協議会などが委託を受けている場合があります。「〇〇市 自立相談支援機関」で検索すると窓口が分かります。

  1. 自立相談支援機関に相談する。状況を伝えると、対象になるか、他に使える制度があるかを含めて案内してくれます
  2. 申請書類を提出する。おおむね次のものが必要です
    • 申請書、本人確認書類
    • 離職・廃業を証明する書類(離職票、雇用保険受給資格者証、廃業届の控えなど)。収入減の場合は減少が分かる書類
    • 世帯全員の収入が分かる書類(給与明細、失業手当の額が分かる書類など)
    • 世帯全員の預貯金が分かる書類(通帳の写しなど)
    • 賃貸借契約書の写し
    • 「入居住宅に関する状況通知書」(大家または不動産会社に記入してもらう)
  3. ハローワークで求職の申込みをする。まだであれば、申請と並行して行います
  4. 審査後、支給が決定される。決定後は自治体から大家に家賃が支払われます

大家に記入してもらう書類があるため、家賃の滞納が始まる前に動くことが大切です。すでに滞納している場合も申請できますが、滞納分の家賃は原則として対象外です。

使う前に知っておきたい注意点

  • 家賃だけが対象。共益費・管理費、駐車場代、更新料、敷金礼金は含まれません
  • 持ち家の住宅ローンは対象外。賃貸住宅の家賃に限られます
  • 受給中に収入が基準を超えると、その月で終了。就職して給与が出始めたら、支給は止まります。就職が決まった時点で窓口に報告してください
  • 一度受給した後、再び離職した場合は再支給を受けられることがある。解雇など本人の責任でない理由での離職が条件になる場合があります
  • 敷金・礼金や引っ越し費用が必要なら、別の貸付制度がある。生活福祉資金貸付制度の総合支援資金(住宅入居費)が候補です。こちらは貸付なので返済が必要です

よくある質問

失業手当をもらっていても住居確保給付金は申請できますか?

できます。失業手当(雇用保険の基本手当)を含めた世帯の月収が、自治体の定める基準額と家賃額の合計以下であれば対象です。失業手当が少ない、または受給が終わった人が申請するケースが多くあります。求職活動をハローワークで続けることが条件です。

フリーランスを廃業した場合も対象ですか?

対象です。廃業から2年以内で、廃業前に世帯の生計を主として支えていた人であれば、会社員の離職と同じように申請できます。廃業届の控えなど、廃業を証明する書類が必要です。収入が途絶えたものの廃業届を出していない場合も、収入減少として申請できることがあるので、窓口に相談してください。

給付金は自分の口座に振り込まれますか?

振り込まれません。住居確保給付金は、自治体が大家や不動産会社に家賃を直接支払う「代理納付」の形で支給されます。本人がいったん家賃を払って後から受け取る形ではないので、申請時に大家の口座情報などを記入した書類が必要になります。

何か月もらえますか?

原則3か月です。求職活動を誠実に続けていることが確認されれば、3か月ずつ2回まで延長でき、最長で9か月です。受給中に就職して収入が基準を超えた場合は、その時点で終了します。

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