仕事を辞めて看護学校や専門学校に通う。学費は専門実践教育訓練給付金で半分以上戻るとしても、通っている間の生活費はどうするか。そこを支えるのが教育訓練支援給付金です。失業手当(基本手当)の日額の60%相当が、訓練期間中に支給されます。ただし条件が細かく、期限のある時限措置です。この記事では、対象になる人、支給額の計算例、失業手当との関係、手続きを整理します。
- 対象は45歳未満・離職中・初めての専門実践教育訓練・昼間通学制
- 基本手当日額の60%相当という支給額の計算例
- 失業手当(基本手当)との関係と、支給が始まるタイミング
- 受講前にハローワークで行う手続きと、令和9年3月までの期限
制度の基本情報
- 実施主体
- 厚生労働省
- 給付・助成内容
- 基本手当日額の60%相当額を訓練期間中に支給(令和9年3月31日までの時限措置。令和7年3月31日以前に受講開始した場合は80%)
- 対象条件
- 受講開始時45歳未満の離職者で、雇用保険の基本手当受給資格がなく、初めて専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講すること。
- 申請方法
- 専門実践教育訓練の受給資格確認と同時にハローワークで申請し、訓練期間中は原則1ヶ月ごとに失業認定を受けて支給される。
2026年7月29日 時点の公式情報をもとに整理しています。金額・期限は改正されることがあるので、申請前に公式サイトでご確認ください。
結論:訓練期間中、基本手当日額の60%相当が支給される(令和9年3月31日までの時限措置)
教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練を受けている間の生活費を支える給付です。学費を支給する専門実践教育訓練給付金とは別の給付で、両方を同時に受けられます。
支給額は雇用保険の基本手当日額の60%相当額です。令和7年3月31日以前に受講を開始した人は80%でした。この給付は令和9年3月31日までに受講を開始した人が対象の時限措置です。
計算例
基本手当日額は、離職前6か月の賃金から計算されます。おおむね離職前の賃金日額の50〜80%で、年齢別の上限があります。
| 基本手当日額 | 支援給付金の日額(60%) | 30日あたり | 2年(730日)の概算 |
|---|---|---|---|
| 4,000円 | 2,400円 | 7万2,000円 | 約175万円 |
| 5,000円 | 3,000円 | 9万円 | 約219万円 |
| 6,000円 | 3,600円 | 10万8,000円 | 約263万円 |
| 7,000円 | 4,200円 | 12万6,000円 | 約307万円 |
※ 訓練期間中、失業の認定を受けた日数分が支給されます。基本手当が支給されている期間は支給されません(次の見出しで説明します)。
対象になる人:4つの条件をすべて満たす
- 受講開始時に45歳未満であること
- 離職中であること。在職しながら通う人は対象外です。受講開始時に雇用保険の一般被保険者ではなく、離職後1年以内(延長の事情があれば最長で一定期間まで)に受講を開始すること
- 初めて専門実践教育訓練を受けること。過去に専門実践教育訓練給付金を受けたことがある人は対象外です
- 昼間通学制の課程であること。通信制、夜間制は対象外です
加えて、専門実践教育訓練給付金の受給資格(雇用保険の被保険者期間3年以上、初回は2年以上)を満たしていることが前提です。学費の給付金の資格がなければ、支援給付金も受けられません。
典型的な対象者は、「会社員を辞めて、看護師・介護福祉士・保育士などの養成課程に昼間通う、20〜40代の人」です。
失業手当(基本手当)との関係:先に基本手当、終わってから支援給付金
ここがいちばん分かりにくいところです。教育訓練支援給付金は、基本手当(失業手当)を受けられない期間について支給されます。
- 離職して受給資格があれば、まず基本手当が所定給付日数分(90〜330日)支給される
- 基本手当の受給が終わると、まだ訓練が続いている期間について教育訓練支援給付金が支給される
- 基本手当の受給資格がない人(被保険者期間が足りないなど)は、訓練開始から支援給付金が支給される
つまり、基本手当が100%(正確には基本手当日額そのもの)、その後が60%相当、という順番です。2年の課程なら、最初の数か月は基本手当、残りは支援給付金、という形になる人が多くなります。
注意点として、基本手当を受給中に受講を始めるには、ハローワークから「求職活動と両立できる」と認められる必要があります。受講を決めたら、失業手当の手続きの段階でハローワークに伝えてください。
手続き:受講前の申請と、受講中の失業認定
受講前
専門実践教育訓練給付金の受給資格確認と同時に、ハローワークで教育訓練支援給付金の受給資格確認も行います。手順は次のとおりです。
- 訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成する
- 専門実践教育訓練の受給資格確認票と、教育訓練支援給付金の受給資格確認票を、住所地のハローワークへ提出する。提出期限は受講開始日の前(原則1か月前までが目安。最新の期限はハローワークで確認)
受講中
支援給付金は「失業している日」に対して支給されるため、訓練期間中も定期的にハローワークで失業の認定を受けます(原則2か月に1回)。学校の受講証明を添えて認定を受け、その期間分が支給されます。認定日に行かないと、その期間の給付が受けられません。
修了後
訓練が修了した時点で支援給付金は終わります。その後は、専門実践教育訓練給付金の追加給付(資格取得と就職で70%、賃金上昇で80%)の申請に移ります。
使う前に知っておきたい注意点
- 令和9年3月31日までの時限措置。それ以降に受講を開始する場合は、制度の延長があるかを確認してください
- アルバイトをすると減額や不支給になる日がある。失業の認定を受ける仕組みなので、働いた日は原則として支給対象外です。学業と両立しようとする場合は、事前にハローワークに申告方法を確認してください
- 途中で就職や退学をした時点で終了。訓練を中断した場合、その後の支給はありません
- 受講前の手続きをしないと受けられない。専門実践教育訓練給付金と同じく、受講開始後の申請はできません
- 45歳未満は「受講開始時」で判定。受講中に45歳になっても、支給は続きます
よくある質問
教育訓練支援給付金と専門実践教育訓練給付金は両方もらえますか?
両方受けられます。専門実践教育訓練給付金は学費(受講費用の50〜80%)を、教育訓練支援給付金は訓練期間中の生活費(基本手当日額の60%相当)を支給する別の給付です。ただし支援給付金は、45歳未満・離職中・初めての専門実践教育訓練・昼間通学制という条件を満たす人だけが対象です。
失業手当をもらいながら学校に通えますか?
ハローワークが「求職活動と受講を両立できる」と認めた場合は可能です。基本手当の受給が終わった後、まだ訓練が続いていれば教育訓練支援給付金に切り替わります。受講を決めたら、失業手当の手続きの際にハローワークに受講予定を伝えてください。
通信制の看護学校でも対象になりますか?
教育訓練支援給付金は昼間通学制の課程に限られるため、通信制と夜間制は対象外です。ただし学費を支給する専門実践教育訓練給付金は、通信制・夜間制でも指定講座であれば受けられます。
在職中に受講を始めて、途中で退職した場合はどうなりますか?
教育訓練支援給付金は「受講開始時に離職している」ことが条件のため、在職中に受講を始めた人は途中で退職しても対象になりません。離職してから通う予定なら、退職日と受講開始日の順序を確認してください。
他にも使える制度があるかもしれません
5つの質問に答えるだけで、あなたの状況に合いそうな給付金・補助金の候補を確認できます。無料・登録不要で、入力内容は端末の中だけで処理されます。
キャリアチェンジに合いそうな転職エージェントも、転職エージェント診断で確認できます →あわせて確認しておきたいこと
- 退職願・退職届 自動作成ツール — 学校に通うために退職する場合の文面を作れます
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関連サービス
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出典
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html