スキルアップの給付金ガイド

専門実践教育訓練給付金

中長期的なキャリア形成を支援するため、看護師・介護福祉士等の専門性の高い資格取得を目指す教育訓練を対象に手厚く費用を支給する制度。

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看護師や介護福祉士のように、学校に通って資格を取る道を考えたとき、いちばん重いのが学費です。専門実践教育訓練給付金は、その学費の半分から最大8割を雇用保険から支給する制度で、教育訓練給付の中で最も手厚い給付です。その分、条件と手続きも重くなります。この記事では、対象講座と人の条件、給付率が上がる仕組み、受講前から修了後までの手続きを整理します。

  • 50%から最大80%まで、給付率が上がる3段階の仕組み
  • 看護師・介護福祉士・保育士・MBA・ITなど、対象講座の種類
  • 被保険者期間3年(初回2年)などの条件
  • 受講前・受講中・修了後、それぞれの手続きと期限

制度の基本情報

教育訓練給付 全国対象
実施主体
厚生労働省
給付・助成内容
受講費用の50%(年間上限40万円)、資格取得等で追加給付し最大80%(年間上限64万円、最大3年で192万円)(上限目安 1,920,000円)
対象条件
雇用保険の被保険者期間が通算3年以上(初回は2年以上)。看護師・介護福祉士・美容師等の専門職養成課程等が対象。
申請方法
受講開始前にハローワークで受給資格確認とジョブ・カード作成等のキャリアコンサルティングを受けたうえで申請する。

公式サイトで最新情報を見る →

2026年7月28日 時点の公式情報をもとに整理しています。金額・期限は改正されることがあるので、申請前に公式サイトでご確認ください。

結論:受講費用の50%(年40万円まで)。資格取得と就職で70%、賃金が上がれば80%

専門実践教育訓練給付金の給付は、3段階になっています。

段階条件給付率年間上限
基本指定講座を受講・修了50%40万円
追加①目指した資格を取得し、修了後1年以内に就職(または在職)70%56万円
追加②①に加え、受講前より賃金が5%以上上がった80%64万円

訓練期間は最長3年です。80%まで到達した場合、3年で最大192万円が支給されます。

計算例:2年制の看護師養成課程、学費が年100万円の場合

  • 基本:年100万円×50%=50万円 → 上限40万円。2年で80万円
  • 資格取得と就職:70%で上限56万円。2年で112万円
  • さらに賃金が5%以上上昇:80%で上限64万円。2年で128万円

基本の50%は受講中に6か月ごとに支給され、追加分は資格取得や就職の後にまとめて支給されます。学費は先に払う必要があるので、資金計画は「後から戻る」前提で立ててください。

対象講座:国家資格の養成課程、専門職大学院、IT高度講座

専門実践教育訓練の指定講座は、「中長期的なキャリア形成に役立つ」専門性の高いものです。おおまかに次の種類があります。

  • 業務独占資格・名称独占資格の養成課程:看護師、准看護師、介護福祉士、保育士、社会福祉士、理学療法士、作業療法士、美容師、調理師、栄養士、歯科衛生士など。訓練期間1〜3年
  • 専門職大学院:MBA(経営学修士)、法科大学院、教職大学院など
  • 大学・大学院の職業実践力育成プログラム(BP):社会人向けの履修証明プログラムや学位課程
  • 第四次産業革命スキル習得講座:AI、データサイエンス、クラウド、セキュリティなど、経済産業大臣が認定したIT講座
  • 専修学校の職業実践専門課程:企業と連携して実践的な職業教育を行う専門学校の課程

「看護師」「介護福祉士」の資格そのものが対象なのではなく、学校ごと・課程ごとに指定されています。志望校が指定を受けているかは、教育訓練講座検索システムで学校名を検索するか、学校の募集要項で「専門実践教育訓練給付金 指定講座」の記載を確認してください。

対象になる人:雇用保険に3年以上(初めてなら2年以上)

  • 受講開始日に雇用保険の被保険者で、被保険者期間が通算3年以上。初めて教育訓練給付を使う場合は2年以上(一般・特定一般の1年より長い)
  • 離職中なら、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、離職前の被保険者期間が上の条件を満たす
  • 前回の教育訓練給付の受給から3年以上経っている

在職中でも使えます。夜間や通信の課程も指定されていれば対象です。ただし、後述する教育訓練支援給付金(生活費の給付)は、昼間の通学制で離職中の人に限られます。

手続きは3段階:受講前・受講中・修了後

受講前:キャリアコンサルティングと受給資格確認

専門実践教育訓練は、受講を始める前の手続きが必須です。

  1. ハローワークなどで訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成する
  2. ジョブ・カード、本人確認書類、写真などを添えて、受給資格確認票を住所地のハローワークに提出する
  3. 提出期限は受講開始日の前。原則として受講開始日の1か月前までが目安です。期限は改正で変わることがあるので、入学が決まったらすぐハローワークに確認してください

入学手続きと並行して進める必要があります。合格通知が来てからでは間に合わないことがあるので、出願の段階でハローワークに相談しておくと安全です。

受講中:6か月ごとに支給申請

受講開始から6か月ごとに、その期間の受講状況を学校に証明してもらい、受講費用の領収書などを添えてハローワークへ支給申請します。申請期限は各6か月の区切りの翌日から1か月以内です。この申請で、基本の50%がその都度支給されます。

修了後:資格取得と就職で追加給付の申請

修了後1か月以内に最後の支給申請をします。さらに、目指した資格を取得し、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として就職した(または在職している)場合は、その日の翌日から1か月以内に追加給付を申請します。賃金上昇分の申請は、就職後に賃金が受講前より5%以上上がったことが確認できた時点で行います。

離職中の人は「教育訓練支援給付金」も確認する

専門実践教育訓練は期間が長く、離職して通う人も多い制度です。45歳未満の離職者が初めて専門実践教育訓練(昼間通学制)を受ける場合、訓練期間中の生活費として教育訓練支援給付金が別に支給されます。基本手当(失業手当)の日額の60%相当が、失業認定を受けながら支給される仕組みです。

学費は専門実践教育訓練給付金、生活費は教育訓練支援給付金、という組み合わせです。令和9年3月31日までの時限措置なので、対象になる人は受講前にハローワークで同時に手続きをしてください。詳しくは教育訓練支援給付金の解説にまとめています。

使う前に知っておきたい注意点

  • 学費は先払い。給付は6か月ごとの後払いなので、入学金と初年度の学費は自分で用意する必要があります
  • 途中で辞めると、その後の給付は止まる。すでに支給された分の返還は原則ありませんが、追加給付は受けられません
  • 追加給付は「資格取得」と「就職」の両方が必要。資格を取っても就職しない、就職しても資格を取れない場合は70%になりません
  • 受講前の手続きを飛ばすと一切支給されない。3つの給付の中で、ここが最も致命的です
  • 指定は課程単位。同じ学校でも学科によって指定の有無が違うことがあります

よくある質問

働きながら専門実践教育訓練給付金を使えますか?

使えます。在職中で雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての利用なら2年以上)あれば対象です。夜間や通信の課程でも指定講座であれば給付されます。ただし生活費を支給する教育訓練支援給付金は、離職中で昼間通学制の課程に通う45歳未満の人に限られます。

3年より長い課程の場合、4年目以降は支給されますか?

原則として支給対象は最長3年です。課程が4年の場合でも、給付の対象になる期間は3年分です。一部の資格で訓練期間が4年まで認められる例外があるので、志望する課程についてハローワークに確認してください。

受講開始日の1か月前を過ぎてしまいました。もう使えませんか?

提出期限はハローワークが個別の事情を認めた場合に受講開始日までとされることがあります。まず管轄のハローワークにすぐ相談してください。手続きをせずに受講を始めた場合は原則として支給されないので、期限を過ぎたと思ったら受講を始める前に必ず問い合わせてください。

給付金は非課税ですか?

雇用保険法に基づく給付なので、所得税・住民税は課されません。確定申告で収入として申告する必要もありません。

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