失業手当(雇用保険の基本手当)は、雇用保険に入っていた人しか受け取れません。フリーランスや自営業だった人、短時間のパートで雇用保険に入っていなかった人、失業手当をもらい終えた人は対象外です。そうした人のためにあるのが求職者支援制度で、無料の職業訓練を受けながら、月10万円の給付金を受け取れます。この記事では、対象になる人、収入などの要件、訓練の内容、手続きの流れをまとめます。
- 対象は「雇用保険を受給できない人」。フリーランス・自営業・パートも含む
- 月10万円+通所手当という給付の中身
- 本人月収8万円以下、世帯月収30万円以下などの要件
- 訓練の種類と、ハローワークでの申込みから受給までの流れ
制度の基本情報
- 実施主体
- 厚生労働省
- 給付・助成内容
- 職業訓練受講手当月10万円+通所手当(上限月42,500円)+寄宿手当(月10,700円)(上限目安 100,000円)
- 対象条件
- 本人月収8万円以下・世帯月収30万円以下・世帯金融資産300万円以下等の収入要件を満たし、訓練に8割以上出席すること。
- 申請方法
- ハローワークで求職申込・職業相談を行い、求職者支援訓練を受講しながら訓練開始後にハローワークで給付金を申請する。
2026年7月28日 時点の公式情報をもとに整理しています。金額・期限は改正されることがあるので、申請前に公式サイトでご確認ください。
結論:雇用保険がなくても、無料の訓練+月10万円の給付金が受けられる
求職者支援制度は、雇用保険の失業手当を受けられない人が、就職に向けて職業訓練を受け、その間の生活を支える給付金を受け取れる国の制度です。訓練の受講料は無料(テキスト代などは自己負担)で、条件を満たすと「職業訓練受講給付金」が支給されます。
| 給付 | 金額 |
|---|---|
| 職業訓練受講手当 | 月10万円 |
| 通所手当 | 訓練施設までの交通費(上限月4万2,500円) |
| 寄宿手当 | 訓練のために別居して寄宿する場合、月1万700円 |
訓練期間は2〜6か月が中心なので、3か月の訓練なら30万円、6か月なら60万円の給付金を受けながら学べる計算です。給付金の要件を満たさない人でも、訓練自体は無料で受講できます。
対象になる人:雇用保険を受給できない「求職者」
この制度の入口は「雇用保険の基本手当(失業手当)を受給できないこと」です。具体的には、次のような人が当てはまります。
- フリーランス・自営業を廃業した人。雇用保険に入っていないので、失業手当はありません
- 雇用保険に入っていなかったパート・アルバイト。週20時間未満の勤務などで加入していなかった人
- 失業手当の受給が終わった人。所定給付日数を使い切ったが、まだ就職が決まっていない
- 失業手当の受給資格がない人。被保険者期間が足りずに離職した人
- 学校を卒業して就職していない人
- 働きながらの人も対象になる場合がある。パートなどで働いていて、収入が要件以下で正社員などへの転職を目指す人
共通の前提として、ハローワークに求職の申込みをしていて、就職する意思があることが必要です。「とりあえず資格だけ取りたい」という目的では対象になりません。
給付金の要件:本人月収8万円以下、世帯月収30万円以下など
訓練は無料ですが、月10万円の給付金には収入と資産の要件があります。すべて満たす必要があります。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 本人の収入 | 月8万円以下(シフト制などで働く人には月12万円以下とする特例あり) |
| 世帯全体の収入 | 月30万円以下 |
| 世帯全体の金融資産 | 300万円以下 |
| 不動産 | 今住んでいる土地・建物以外に所有していない |
| 出席 | 訓練の全日程に出席する(やむを得ない欠席があっても8割以上) |
| 同一世帯 | 同時にこの給付金を受けている人がいない |
| 過去の受給 | 過去3年以内に不正受給をしていない |
「世帯」は同居している配偶者・親・子などです。配偶者の収入が月30万円を超えると、本人が無収入でも給付金は受けられません。この場合でも訓練は無料で受けられます。
出席要件は厳しめです。病気や家族の看護などやむを得ない理由でも8割以上、それ以外の理由の欠席は原則として1日でも給付金が出ません。訓練期間中はスケジュールを優先できる状態にしておく必要があります。
訓練の内容:2〜6か月、IT・事務・介護・デザインなど
受けられる訓練は2種類あります。
- 求職者支援訓練:民間の教育機関が国の認定を受けて実施する訓練。基礎コース(ビジネススキルやパソコン基礎、2〜4か月)と実践コース(IT、事務、介護、医療事務、Webデザイン、営業販売など、3〜6か月)があります
- 公共職業訓練:都道府県や独立行政法人が実施する訓練。ものづくり系や、より長期のコースもあります。求職者支援制度の対象者も受講でき、給付金の対象になります
訓練は平日の日中に行われるものが多く、通学制です。コースには定員があり、面接や筆記による選考があります。人気のコースは倍率が高いので、募集の時期を逃さないことが大切です。
訓練コースは、ハローワークの窓口や厚生労働省のサイトで地域ごとに探せます。訓練開始日から逆算して、1〜2か月前に募集が始まるのが一般的です。
手続きの流れ:ハローワークで求職申込みから始める
- ハローワークで求職の申込みをする。まだ求職登録していなければ、ここが最初です
- 職業相談で、訓練の必要性を確認してもらう。希望する仕事と、そのために必要な訓練を相談します。給付金の要件についてもここで確認します
- 訓練コースを選び、受講申込みをする。ハローワーク経由で申込書を提出し、訓練実施機関の選考を受けます
- 合格したら、訓練開始前にハローワークで受講の手続きをする。給付金を受ける人は、この時点で収入・資産を証明する書類(通帳の写し、世帯全員の収入が分かる書類など)を提出します
- 訓練開始後、月に1回、ハローワークの指定来所日に行く。職業相談を受け、出席状況を確認したうえで給付金を申請します。給付金は月ごとに後払いで振り込まれます
給付金だけでは生活費が足りない場合は、求職者支援資金融資という貸付制度もあります。給付金を受けている人が、労働金庫から月5万円または10万円(配偶者などがいる場合)を訓練期間中借りられる制度です。貸付なので返済が必要ですが、利子は低く設定されています。
使う前に知っておきたい注意点
- 給付金は訓練を受けることが条件。訓練を受けずに給付金だけを受けることはできません
- 指定来所日に行かないと、その月の給付金は出ない。月1回のハローワーク来所は必須です
- 途中で就職が決まったら、訓練をやめて就職してよい。制度の目的は就職なので、訓練中に就職が決まることは望ましい結果として扱われます
- アルバイトをしながら受講できるが、収入要件の範囲内で。本人月収8万円(特例12万円)を超えると、給付金の対象外になります
- 給付金は非課税。所得税・住民税はかかりません
よくある質問
フリーランスを辞めた場合、求職者支援制度は使えますか?
使えます。フリーランスや自営業は雇用保険に加入していないため失業手当を受けられませんが、求職者支援制度はまさにそうした人が対象です。ハローワークで求職の申込みをし、廃業していること、就職する意思があることを前提に、無料の職業訓練と月10万円の給付金(収入・資産の要件を満たす場合)を受けられます。
給付金の要件を満たさなくても訓練は受けられますか?
受けられます。訓練の受講料は無料で、給付金の収入・資産要件を満たさない人でも、ハローワークが訓練の必要性を認めれば受講できます。配偶者の収入が多い人などは、給付金なしで訓練だけを利用するケースが多くあります。
訓練中にアルバイトをしてもいいですか?
できます。ただし給付金を受けている場合は、本人の月収が8万円以下(シフト制などで働く人は12万円以下の特例あり)でなければなりません。また訓練の出席が優先で、アルバイトを理由に欠席すると給付金が支給されなくなります。
失業手当をもらい終わってから、求職者支援制度に切り替えられますか?
できます。基本手当の所定給付日数を使い切って就職が決まっていない人は、求職者支援制度の対象です。収入・資産の要件を満たせば、訓練を受けながら月10万円の給付金を受けられます。ハローワークで職業相談を受け、訓練の受講を申し込んでください。
他にも使える制度があるかもしれません
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