地方で起業するなら、まず確認したいのが起業支援金です。地域の課題を解決する事業を新たに始める人に、起業にかかる経費の2分の1、上限200万円が補助されます。東京圏から移住して起業する場合は移住支援金も併用でき、合計で最大300万円です。国が枠組みを作り、各都道府県がそれぞれの名称で実施しているため、「自分の県ではどう呼ばれているか」を知ることが最初の一歩になります。この記事では、対象になる事業と人、支援金の額、都道府県ごとの実施の探し方、申請の流れをまとめます。
- 起業経費の2分の1・上限200万円、移住支援金と併用で最大300万円
- 対象は「地域課題を解決する社会的事業」。子育て・地域産品・観光など
- 都道府県ごとに名称が違う。自分の県の実施を探す方法
- 公募→審査→採択→開業→交付という流れと、交付決定前の支出は対象外という注意
制度の基本情報
- 実施主体
- 内閣府地方創生推進事務局・各都道府県
- 給付・助成内容
- 起業経費の1/2以内、上限200万円(移住支援金と併用で最大300万円)(上限目安 2,000,000円)
- 対象条件
- 都道府県が策定する地域課題解決型の社会的事業分野で法人設立・個人事業開業をすること。実施都道府県により対象要件が異なる。
- 申請方法
- 事業を実施する都道府県の窓口で事業計画の審査を受け、採択後に法人設立・開業して交付申請を行う。
2026年7月28日 時点の公式情報をもとに整理しています。金額・期限は改正されることがあるので、申請前に公式サイトでご確認ください。
結論:起業経費の半分、上限200万円。移住を伴えば最大300万円
起業支援金は、内閣府の「地方創生起業支援事業」として、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)以外の道府県と、東京圏内の条件不利地域で実施されている制度です。
| 補助率 | 起業などに要する経費の2分の1以内 |
|---|---|
| 上限 | 200万円 |
| 移住支援金との併用 | 東京23区に在住または通勤していた人が移住して起業する場合、移住支援金(単身60万円・世帯100万円、18歳未満の子の帯同で加算)も受けられ、合計で最大300万円 |
| 支払い | 原則後払い。採択・交付決定の後に事業を実施し、実績報告を経て交付 |
計算例
- 店舗の内装・設備・広告で起業経費300万円 → 2分の1で150万円
- 起業経費500万円 → 2分の1は250万円だが、上限の200万円
- 上記に加え、東京23区から家族で移住 → 移住支援金100万円を併用し合計300万円
対象になる経費は、人件費、店舗の借料・改装費、設備費、原材料費、広報費、外注費など、起業に直接必要なものです。都道府県によって細かな範囲は異なります。
対象になる事業:地域課題を解決する「社会的事業」
この制度の特徴は、どんな起業でも対象になるわけではないことです。都道府県が「地域課題の解決に資する社会的事業」と定めた分野で起業することが条件です。分野の例は次のとおりです。
- 子育て支援、高齢者や障害者の支援、地域医療・介護
- 地域の農林水産物や特産品を活用した事業
- 買い物弱者への支援、地域交通、地域の生活サービス
- 観光、まちづくり、空き家・空き店舗の活用
- ICTを活用した地域課題の解決、教育、地域人材の育成
都道府県ごとに重点分野が示されています。たとえば「中山間地域の課題解決」に絞っている県、「若者・女性の起業」を優先する県などがあります。自分の事業がどの課題を解決するのかを事業計画で説明できることが、審査の中心になります。
対象になる人:その都道府県で新たに開業・法人設立する人
- 公募期間中から補助事業の完了日までに、個人事業の開業または法人の設立をすること。すでに開業済みの事業の拡大は原則として対象外です(事業承継や第二創業を対象にしている県もあります)
- その都道府県内に居住している、または事業完了までに居住すること
- 事業をその都道府県内で行うこと
- 移住支援金を併用する場合は、東京23区に在住または通勤していた期間などの要件を満たすこと
年齢や職歴の制限は基本的にありません。会社員が退職して開業する場合も、副業として法人を設立する場合も、要件を満たせば対象です。
自分の県の実施を探す:名称は都道府県ごとに違う
起業支援金は、都道府県が商工会議所や産業振興財団などを執行団体として実施しています。そのため名称が県ごとに異なります。
- 「〇〇県地域課題解決型起業支援事業」「〇〇県地域課題解決型起業支援金」
- 「〇〇県地方創生起業支援金」「〇〇県起業支援金」
- 「ソーシャル・ビジネス創業支援金」「起業チャレンジ応援事業」など独自の名称
本サイトの制度一覧の「創業・開業支援」には、各都道府県の実施名称と公式サイトへのリンクを掲載しています。お住まいの県、または起業を予定している県の項目から公式サイトに進むと、その年度の公募要領が確認できます。内閣府の地方創生サイトにも都道府県ごとの窓口一覧があります。
公募は年1〜2回で、春から初夏に募集する県が多いのが傾向です。募集期間が1〜2か月と短いので、起業を考え始めた時点で県の公募時期を確認しておいてください。
申請の流れ:事業計画の審査があり、採択後に開業する
- 都道府県の執行団体の公募を確認し、事前相談をする。多くの県で事前相談や説明会が用意されています
- 事業計画書を作成して申請する。解決する地域課題、事業の内容、収支計画、経費の内訳を書きます
- 書類審査と面接(プレゼンテーション)を受ける。審査委員会が地域課題への貢献度や事業の実現性を評価します
- 採択され、交付決定を受ける。交付決定後に開業・法人設立と事業の実施に入ります
- 事業を実施し、実績報告書を提出する。領収書などの証拠書類をそろえます
- 確定検査を経て支援金が交付される。後払いが原則ですが、一部を概算払いする県もあります
多くの県で、採択後に専門家による伴走支援(メンタリングや経営相談)が付きます。補助金だけでなく、起業初期の相談相手が得られる点もこの制度の価値です。
使う前に知っておきたい注意点
- 交付決定前に支出した経費は対象外。公募前に開業してしまった場合、対象にならないことがあります。開業のタイミングは公募スケジュールに合わせてください
- 東京圏の多くの地域は対象外。東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県で起業する場合は、条件不利地域に該当するかを確認してください。該当しない場合は、東京都の創業助成金など別の制度を探します
- 事業の継続と報告が求められる。交付後も一定期間、事業の状況を報告する義務があります。短期間で廃業すると返還を求められることがあります
- 小規模事業者持続化補助金と同じ経費で二重に受けることはできない。併用する場合は経費を分けます
- 移住支援金の併用には移住の時期の要件がある。先に移住してから起業する場合、移住のタイミングが要件から外れないよう確認してください
よくある質問
どんな事業でも起業支援金の対象になりますか?
なりません。都道府県が定める「地域課題の解決に資する社会的事業」の分野で起業することが条件です。子育て支援、地域産品の活用、買い物弱者支援、観光、まちづくり、ICTによる課題解決などが典型で、県ごとに重点分野が示されています。自分の事業がどの地域課題を解決するかを説明できることが必要です。
移住しなくても起業支援金は使えますか?
使えます。起業支援金そのものは、その都道府県に居住して起業することが条件で、移住は必須ではありません。もともと住んでいる県で起業する場合も対象です。移住支援金は、東京23区に在住または通勤していた人が移住する場合に併用できる別の支援金です。
自分の県で実施しているかどうかはどこで分かりますか?
内閣府の地方創生サイトに都道府県ごとの窓口一覧があります。本サイトの制度一覧「創業・開業支援」にも、各都道府県の実施名称と公式サイトへのリンクを掲載しています。名称は県ごとに異なり、「地域課題解決型起業支援」「地方創生起業支援金」などの表記が多く見られます。
すでに開業している場合は対象になりますか?
原則として対象外です。起業支援金は公募期間中から補助事業完了日までに新たに開業・法人設立する人が対象です。ただし、事業承継や第二創業(既存事業者が新分野に進出する)を対象に含めている都道府県もあるので、公募要領で確認してください。
他にも使える制度があるかもしれません
5つの質問に答えるだけで、あなたの状況に合いそうな給付金・補助金の候補を確認できます。無料・登録不要で、入力内容は端末の中だけで処理されます。
この制度を使いながら、向いていそうな副業ジャンルも副業ジャンル診断で確認できます →あわせて確認しておきたいこと
- 手取り年収シミュレーター — 自営業として独立した後の手取り額の目安を計算できます
- 副業ジャンル診断 — 起業する分野を迷っている場合に、向いているジャンルを診断できます
関連サービス
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出典
- 内閣府地方創生推進事務局「起業支援金」 https://www.chisou.go.jp/sousei/shienkin_index.html
- 内閣府地方創生推進事務局「移住支援金」 https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html