副業を始めると税金がいくら増えるのか。「20万円までは大丈夫」という話は聞くけれど、実際の金額はよく分からない——この記事では、本業の年収と副業の所得の組み合わせごとに、増える税金の目安を表にしました。表の数字は副業の税金シミュレーターと同じ計算式で出しているので、自分の数字を入れて確かめられます。
- 年収別・副業所得別の追加税額早見表
- 「副業所得×税率」で暗算する方法
- 経費を引くと税額がどう変わるか
- 年収660万円前後にある「基礎控除の壁」
- 20万円以下でも住民税の申告がいる理由
2026年9月20日更新:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除・給与所得控除の引上げ)を反映し、表と計算例を令和8年分の税額で計算し直しました。
結論:副業で増える税金は、副業所得の15〜30%が目安
会社員が副業をした場合、副業の所得(収入から経費を引いた額)は本業の給与所得に合算され、合算後の所得に対する税率で課税されます。副業の分だけ別の税率になるわけではありません。
つまり、副業で増える税金はおおむね次の式で決まります。
| 副業で増える税金 | ≒ 副業所得 × (本業の所得税率 + 住民税10%) |
|---|
所得税率は課税所得の大きさで5%から45%まで段階的に上がります。多くの会社員は5%・10%・20%のどれかに当てはまるので、副業所得に対する負担はざっくり15%・20%・30%のどれかになります。
| 本業の課税所得 | 所得税率 | 副業所得に対する負担の目安 | 年収の目安(令和8年分・独身・社会保険料控除を考慮しない場合) |
|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 約15% | 〜約430万円 |
| 195万円超〜330万円 | 10% | 約20% | 約430万円〜約600万円 |
| 330万円超〜695万円 | 20% | 約30% | 約600万円〜約950万円 |
※ 所得税には復興特別所得税(税率の2.1%分)が上乗せされます。住民税は所得割10%で計算しています。
ただし令和8年分と令和9年分には例外があります。副業を足した合計所得金額が489万円(給与だけなら年収約666万円)を超えると、所得税の基礎控除が37万円減るため、この境目をまたぐ人は副業所得の15〜30%では収まりません。詳しくは下の「基礎控除の壁」で説明します。
年収別・副業所得別の追加税額早見表
本業の額面年収と副業所得(経費を引いた後の金額)の組み合わせで、副業によって増える所得税+住民税の合計を計算した表です。カッコ内は税引き後に手元に残る副業所得です。
| 本業の年収 \ 副業所得 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約1.5万円 (8.5万円) | 約3.0万円 (17.0万円) | 約4.5万円 (25.5万円) | 約7.6万円 (42.4万円) | 約15.3万円 (84.7万円) |
| 400万円 | 約1.5万円 (8.5万円) | 約3.0万円 (17.0万円) | 約4.9万円 (25.1万円) | 約8.9万円 (41.1万円) | 約19.0万円 (81.0万円) |
| 500万円 | 約2.0万円 (8.0万円) | 約4.0万円 (16.0万円) | 約6.1万円 (23.9万円) | 約10.1万円 (39.9万円) | 約22.5万円 (77.5万円) |
| 600万円 | 約3.0万円 (7.0万円) | 約6.1万円 (13.9万円) | 約9.1万円 (20.9万円) | 約15.2万円 (34.8万円) | 約38.0万円 (62.0万円) |
| 650万円 | 約3.0万円 (7.0万円) | 約13.6万円 (6.4万円) | 約16.7万円 (13.3万円) | 約22.8万円 (27.2万円) | 約38.0万円 (62.0万円) |
| 700万円 | 約3.0万円 (7.0万円) | 約6.1万円 (13.9万円) | 約9.1万円 (20.9万円) | 約15.2万円 (34.8万円) | 約30.4万円 (69.6万円) |
※ 令和8年分の所得税と、その所得にかかる住民税で計算しています。給与所得控除と基礎控除(所得税は合計所得に応じて104万円・67万円・62万円、住民税は43万円)のみを考慮し、社会保険料控除・配偶者控除・生命保険料控除などは含めない簡易モデルです。実際の税額はこの表より少なくなることが多く、特に社会保険料控除を入れると税率区分が1段階下がる場合があります。住民税の均等割は本業ですでに負担しているため差分には含めていません。
表の読み方
- 年収500万円で副業所得30万円のとき、税金は約6.1万円増え、副業の手残りは約23.9万円
- 年収300万円と400万円は、副業所得20万円までは同じ。400万円は副業所得が約23万円を超えると、合算した所得が5%の区分から10%の区分に入るので、30万円から先で差が開く
- 650万円の行だけ、副業所得20万円から税金が跳ね上がっている。合計所得が489万円を超えて所得税の基礎控除が104万円から67万円に下がるから。600万円の100万円の列も同じ理由(下の「基礎控除の壁」)
自分の年収や副業所得が表にない場合は、シミュレーターに数字を入れると同じ計算式で結果が出ます。
自分で計算する手順(年収400万円・副業所得30万円の例)
シミュレーターの中身は次の4ステップです。電卓があれば手計算でも追えます。
手順1:本業の給与所得を出す
額面年収から給与所得控除を引きます。年収400万円の場合、給与所得控除は「収入×20%+44万円」で124万円。給与所得は400万円−124万円=276万円です。
手順2:本業だけの税金を出す
給与所得276万円は合計所得489万円以下なので、所得税の基礎控除は104万円(令和8年分)。課税所得は172万円で、所得税率5%の区分です。所得税は「172万円×5%」に復興特別所得税2.1%を上乗せして約8.8万円。住民税は基礎控除が43万円のままなので、「(276万円−43万円)×10%」で約23.3万円(均等割を除く)です。
手順3:副業を足した税金を出す
副業所得30万円を足すと、合計所得は306万円で489万円以下のまま(基礎控除は104万円で変わりません)。課税所得は202万円になり、195万円を超えるので税率10%の区分に入ります。所得税は「202万円×10%−9.75万円」に2.1%を上乗せして約10.7万円、住民税は約26.3万円(均等割を除く)です。
手順4:差額が「副業で増えた税金」
所得税の差が約1.9万円、住民税の差が3万円。合計約4.9万円が副業によって増える税金です。副業所得30万円に対して約16%。195万円を超えた7万円の分だけ10%がかかるので、「税率5%の人は約15%」より少し多くなります。
※ 実際には社会保険料控除(年収400万円なら年間60万円前後)があるため課税所得はもっと小さく、副業所得30万円を足しても5%の区分に収まる人がほとんどです。その場合、副業所得に対する負担は約15%です。
経費を引くと、税金はこう変わる
税金がかかるのは「収入」ではなく「所得」、つまり収入から必要経費を引いた後の金額です。同じ年収400万円で、副業の収入が50万円のケースを比べます。
| 経費0円 | 経費15万円 | |
|---|---|---|
| 副業の所得 | 50万円 | 35万円 |
| 増える所得税 | 約3.9万円 | 約2.4万円 |
| 増える住民税 | 5.0万円 | 3.5万円 |
| 増える税金の合計 | 約8.9万円 | 約5.9万円 |
| 確定申告(所得税) | 必要 | 必要 |
経費15万円で税金が約3万円減ります。副業に直接必要な支出(材料費、仕事用のソフト代、取材の交通費など)は経費になりますが、領収書や明細を残しておくことが前提です。プライベートと兼用のものは、副業に使った割合だけを経費にします。
年収660万円前後の人は要注意:基礎控除の壁(令和8年分・令和9年分)
令和8年度の税制改正で、所得税の基礎控除は本人の合計所得金額(給与所得と副業の所得などを足したもの)によって、次のように段階的に変わる形になりました。住民税の基礎控除は43万円のままです。
| 合計所得金額 | 所得税の基礎控除 | 給与だけの場合の年収の目安 |
|---|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 | 約666万円以下 |
| 489万円超〜655万円以下 | 67万円 | 約666万円〜約850万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 62万円 | 約850万円〜 |
控除額はなだらかに減るのではなく、489万円を1円でも超えると37万円減ります。本業の給与所得が489万円の少し手前にある人が副業をすると、副業所得そのものに加えて、減った基礎控除37万円にも税金がかかります。
| 本業の年収(給与所得) | 副業所得 | 増える税金 | 副業所得に対する割合 |
|---|---|---|---|
| 660万円(484万円) | 10万円 | 約10.6万円 | 約106% |
| 650万円(476万円) | 20万円 | 約13.6万円 | 約68% |
| 600万円(436万円) | 60万円 | 約25.8万円 | 約43% |
年収660万円の例では、副業で10万円稼ぐと税金がそれ以上に増えます。境目のすぐ上では「副業をしないほうが手元に残る」ことが起こりうる、ということです。
自分が境目の近くにいるか確かめる
- 本業の給与所得は源泉徴収票で分かります。「給与所得控除後の金額」の欄です。ここに副業の所得を足して、489万円を超えるかを見ます
- 社会保険料やiDeCoの掛金では合計所得は下がりません。これらは合計所得を出した後に引く「所得控除」なので、境目の判定には効きません
- 合計所得を下げるのは副業の経費です。副業に直接必要な支出を漏れなく計上することが、境目の近くでは特に効きます(事業所得で青色申告をしている場合は青色申告特別控除も)
655万円(年収約850万円)の境目では基礎控除が5万円減るだけなので、影響は1万円前後です。なお、この段差は令和8年分・令和9年分の特例で、令和10年分以後は合計所得132万円以下が99万円、それを超えると62万円になる予定です。
出典:国税庁「No.1199 基礎控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm/財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)の「一 個人所得課税」
「20万円以下なら申告不要」の正しい意味
給与を1か所から受けていて年末調整を受けている会社員は、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要です。ただしここには3つの注意点があります。
- 不要なのは所得税の「確定申告」であって、税金が免除されるわけではない。住民税には20万円の基準がなく、副業所得があれば市区町村への住民税の申告が必要です
- 判定するのは収入ではなく所得。収入25万円・経費7万円なら所得は18万円で20万円以下。逆に経費を計上しなければ収入がそのまま所得になります
- 医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするなら、20万円以下の副業所得もあわせて申告する。「申告しなくてよい」は「確定申告そのものをしない場合」の話です
早見表の10万円・20万円の列は「確定申告が不要な範囲でも、住民税を中心に税金は増える」ことを示しています。
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm/「No.2260 所得税の税率」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm/「No.1410 給与所得控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm/「No.1199 基礎控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm。住民税の取り扱いはお住まいの自治体の案内をご確認ください。
シミュレーションの結果を、どう使うか
- 手残りで考える。副業所得30万円は、税引き後だと約21〜26万円(基礎控除の壁をまたぐ人はもっと少なくなります)。時給換算や「この副業を続けるか」の判断は手残りで行うと現実に近くなります
- 納税分を先に取り分ける。確定申告後の所得税は翌年3月、住民税は翌年6月から徴収されます。副業所得の2〜3割を別口座に移しておくと、あとで慌てません
- 住民税の徴収方法を確認する。確定申告書で住民税の徴収方法を「自分で納付」にできる場合がありますが、可否は自治体や所得の種類によります。会社への通知が気になる人は自治体に確認してください
よくある質問
副業の税金はざっくりどれくらい増えますか?
目安は「副業の所得(収入から経費を引いた額)×(所得税率+住民税10%)」です。本業の課税所得が195万円以下なら約15%、195万円超〜330万円なら約20%、330万円超〜695万円なら約30%が副業所得から税金として増える計算になります。副業所得が20万円なら、それぞれ約3万円・約4万円・約6万円です。ただし令和8年分・令和9年分は、副業を足した合計所得金額が489万円(給与だけなら年収約666万円)を超えると所得税の基礎控除が37万円減るため、その境目をまたぐ人は副業所得の40%以上増えることがあります。
年収が650万円くらいです。副業をすると税金が急に増えると聞きましたが本当ですか?
令和8年分・令和9年分は本当です。所得税の基礎控除は合計所得金額489万円以下なら104万円ですが、489万円を超えると67万円に下がります。年収650万円なら給与所得は約476万円なので、副業所得が約13万円を超えたところで基礎控除が37万円減り、副業所得20万円で税金が約13.6万円増えます。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に副業の所得を足して、489万円を超えるかを確かめてください。
副業の所得が20万円以下なら税金はかかりませんか?
かかります。20万円以下で不要になるのは所得税の確定申告であって、税金そのものが免除されるわけではありません。住民税は金額にかかわらず申告が必要で、お住まいの市区町村に住民税の申告をします。
経費を引くと税金はどれくらい変わりますか?
税金は収入ではなく所得(収入−経費)に対してかかるため、経費15万円を計上すれば課税される金額が15万円減ります。税率20%の人なら約3万円の差です。ただし副業に直接必要な支出だけが経費になり、領収書などの記録が必要です。
シミュレーターの結果と実際の税額はどのくらい違いますか?
本ツールは社会保険料控除や配偶者控除などを含めない簡易モデルのため、実際の税額はシミュレーション結果より少なくなることが多いです。特に本業で社会保険料を払っている人は課税所得が下がるので、税率区分が1段階低くなる場合があります。正確な税額は税務署や税理士にご確認ください。
まとめ
- 副業で増える税金 ≒ 副業所得 ×(本業の所得税率+住民税10%)
- 会社員の多くは副業所得の約15%・20%・30%のどれかが目安
- 年収400万円・副業所得30万円なら、増える税金は約4.9万円(令和8年分)
- 令和8・9年分は、合計所得489万円(年収約666万円)をまたぐと基礎控除が37万円減る。境目の近くでは副業所得以上に税金が増えることもある
- 税金がかかるのは収入ではなく所得。経費の記録が税額を左右する
- 20万円以下で不要なのは所得税の確定申告だけ。住民税の申告は必要
- シミュレーターは社会保険料控除を含まない簡易モデルなので、実際はやや少なくなることが多い
- 副業所得の2〜3割を納税用に取り分けておく
自分の年収と副業の数字で確かめたい方は、本業の年収・副業の収入・経費の3つを入れるだけで、この記事と同じ計算式で追加税額と確定申告の要否が出ます。無料・登録不要です。
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あわせて確認しておきたいこと
- 手取り年収シミュレーター — 本業の手取りを社会保険料込みで確認できます
- 副業ジャンル診断 — これから副業を選ぶ段階なら、向いているジャンルを19種類から診断できます
- ふるさと納税シミュレーター — 副業所得が増えると寄付の上限額も変わります