期限の数え方
死亡後の手続きは、数え方が2種類あります。どちらかで1日ずれるので、期限ぎりぎりのときは注意が必要です。
月で数えるものは、応当する日がない月に当たるとその月の末日が期限です。たとえば11月30日に亡くなった場合、相続放棄の期限は2月28日(うるう年なら2月29日)になります。
数え方はこちらでくわしく整理しています → 相続放棄・準確定申告・相続税の期限の数え方|土日と月末で1日ずれる
期限が土日祝のとき
税務署・家庭裁判所・法務局に出すものは、期限が日曜・祝日・土曜・12月29日〜1月3日に当たると翌開庁日が期限になります(国税通則法10条2項、同施行令2条2項)。この計算機はその分をずらして表示し、ずらした場合は注記を出します。
3か月・4か月・10か月がとくに大事
相続放棄は3か月
借金を引き継がないための手続きです。亡くなったことを知った時から3か月で、過ぎると原則として単純承認(そのまま相続)とみなされます。財産や借金の調査が終わらないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。
準確定申告は4か月
亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得を、相続人が申告します。年金や給与だけで源泉徴収が済んでいれば不要なこともありますが、医療費が多かった年は還付になることもあるので確認する価値があります。
相続税の申告・納付は10か月
遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるときに必要です。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告して初めて使えるものなので、特例を使って税額が0円になる場合でも申告が要ります。
相続登記は2024年4月から義務
不動産を相続したら、取得を知った日から3年以内に名義を変える義務があります(不動産登記法76条の2)。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象です。
義務化の前に相続した分も対象で、その場合の期限は2027年(令和9年)3月31日です。遺産分割がまとまらないときは、「相続人申告登記」という簡単な手続きで義務を果たせます。
請求しないともらえないお金
次のお金は、こちらから請求しないと受け取れません。時効までの期間は長めですが、忘れやすいものです。
- 葬祭費・埋葬料(2年) — 国民健康保険は自治体によって3万〜7万円程度、健康保険は埋葬料5万円が目安
- 高額療養費(2年) — 亡くなる前の医療費が自己負担の上限を超えていた分
- 死亡一時金(2年) — 国民年金の保険料を3年以上納め、年金を受けずに亡くなった場合
- 生命保険金(3年) — 保険法95条。約款でもっと長くしている会社もあります
- 未支給年金・遺族年金(5年) — 亡くなった月の分までの年金は遺族が受け取れます
親が亡くなったらやってはいけないこと
期限のある手続きと並んで、やってしまうと後から取り返しにくいことがあります。どれも民法に書かれていることです。
相続放棄を考えているのに、故人の財産を処分する
相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、相続を認めた(単純承認した)ものとみなされます(民法921条1号)。そうなると、借金が多いと分かっても相続放棄ができなくなることがあります。故人の預金を引き出して使う、遺品を売る、といった行為は、放棄するかどうかを決めるまで控えるのが安全です。家の修理のように財産を守るための行為(保存行為)は、処分にあたりません。
相続放棄の3か月を過ぎるまで放っておく
相続の開始を知ってから3か月以内に相続放棄も限定承認もしないと、単純承認したものとみなされます(民法921条2号・915条)。借金があるか分からないときは、家庭裁判所に申し立てて期間を伸ばすこともできます。
封のある遺言書を自分で開ける
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立ち会いのもとで開封する決まりです(民法1004条3項)。家庭裁判所の外で開けると、5万円以下の過料の対象になります(民法1005条)。自筆の遺言書を見つけたら、開けずに家庭裁判所の検認を申し立ててください(公正証書遺言と、法務局で保管している自筆証書遺言は検認がいりません)。
葬儀費用のために預金を勝手に引き出す
遺産分割の前でも、相続人はひとりで、故人の預金のうち「残高の3分の1×自分の法定相続分」まで(1つの金融機関につき150万円まで)払い戻しを受けられる制度があります(民法909条の2、法務省令)。ただし、払い戻しを受けた分は遺産の一部を受け取ったものとみなされます。相続放棄を考えている場合は、使う前に家庭裁判所や専門家に相談してください。
よくある質問
相続放棄の3か月はいつから数えますか?
自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です(民法915条)。期間の初日は算入せず、3か月後の応当する日の前日に満了します。1月10日に亡くなったことをその日に知った場合は、4月10日が期限です。家庭裁判所に申し立てて期間を伸ばせる場合もあります。
準確定申告と相続税の申告はいつまでですか?
準確定申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日まで(所得税法125条)、相続税の申告と納付は知った日の翌日から10か月以内(相続税法27条)です。どちらも期限が土日祝や12月29日〜1月3日に当たるときは、翌開庁日が期限になります。
相続登記はいつまでにすればいいですか?
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です(不動産登記法76条の2)。2024年4月1日の義務化より前に相続したことを知った不動産は、2027年3月31日までに登記する必要があります。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象です。
期限を過ぎてしまった手続きはどうなりますか?
手続きによって異なります。相続放棄は事情によって認められることがあり、相続税の申告は遅れると加算税や延滞税がかかります。葬祭費や未支給年金などは時効で請求できなくなります。過ぎているものがあれば、家庭裁判所・税務署・市区町村の窓口に早めに相談してください。
入力した内容は保存されますか?
お使いの端末(ブラウザ)の中にだけ保存し、次に開いたときにすぐ期限を出すために使います。外部へは送信しません。
親が亡くなったら、やってはいけないことは何ですか?
相続放棄を考えているなら、故人の預金を使う・遺品を売るなど相続財産を処分しないことです。処分すると相続を認めたものとみなされ(民法921条1号)、放棄ができなくなることがあります。封印のある遺言書を家庭裁判所の外で開けることも、5万円以下の過料の対象です(民法1004条・1005条)。
葬儀費用を故人の預金から払ってもいいですか?
遺産分割の前でも、相続人はひとりで「残高の3分の1×法定相続分」(1つの金融機関につき150万円まで)の払い戻しを受けられます(民法909条の2)。払い戻した分は遺産の一部を受け取ったものとみなされるので、相続放棄を考えている場合は先に家庭裁判所や専門家に相談してください。
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