受け取り順の比較表

iDeCoと退職金の
受け取り順シミュレーター

iDeCoの一時金を何歳で受け取ると、退職金と合わせた税金が少なくなるか。受け取る年齢ごとの税額を比較表にします。2026年からの10年ルールに対応しています。

退職金

万円
年
歳
定年後に再雇用されて65歳で受け取るなら65

iDeCo

万円
残高の見込みでかまいません
年
掛金を止めていた期間は数えません
歳
2027年からは70歳になるまで出せます

※ 所得税(復興特別所得税を含む)と住民税の概算です。退職金もiDeCoも「退職所得の受給に関する申告書」を出している前提で、一時金で受け取る場合だけを比べています。入力内容はブラウザの中だけで処理され、送信・保存されません。

このシミュレーターでわかること

iDeCoの一時金を受け取る年齢を1歳ずつずらして、退職金と合わせた所得税・住民税の合計を比較表にします。同じ税額が続く年齢はまとめて1行にしているので、「何歳より前か後か」で税金が変わる境目が見えます。

退職金を受け取る時期は、定年や会社の規程で決まっていることがほとんどです。自分で選べるのはiDeCoの受け取り時期(60〜75歳の間)のほうなので、このシミュレーターは退職金の年齢を固定し、iDeCoの年齢だけを動かしています。

受け取り順で税金が変わる理由

退職金も、iDeCoを一時金で受け取ったお金も、税金の上ではどちらも「退職所得」です。どちらにも退職所得控除があり、その大きさは勤続年数(iDeCoは掛金を出した年数)で決まります。

ここで問題になるのが、会社に勤めながらiDeCoに掛金を出していた期間です。この期間は、退職金の勤続年数とiDeCoの年数の両方に入っています。同じ期間で控除を二重に使えないよう、後から受け取るほうの控除から、重なった年数ぶんの控除を差し引く仕組みがあります。

この差し引きがかかるかどうかは、2つを受け取る間隔で決まります。

受け取り方控除が減る条件減るほう
iDeCoが先 → 退職金iDeCoを受け取った年の翌年から9年以内に退職金を受け取る(いわゆる10年ルール)退職金の控除
退職金が先 → iDeCo退職金を受け取った年の翌年から19年以内にiDeCoを受け取る(いわゆる19年ルール)iDeCoの控除
同じ年に両方差し引きではなく、勤続年数と掛金の年数を通算して控除を1回で計算する—

数え方は暦年(1〜12月)です。たとえば「iDeCoが先」の場合、iDeCoを受け取った年から10年以上あけて退職金を受け取れば、退職金の控除は減りません。

2026年1月から「5年ルール」が「10年ルール」になった

iDeCoを先に受け取った場合の期間は、以前は「前年以前4年内」でした。60歳でiDeCo、65歳で退職金のように5年あければ、退職金の控除はそのまま使えました。これがいわゆる5年ルールです。

令和7年度の税制改正で、これが「前年以前9年内」に延びました。2026年1月1日以後に受け取るiDeCoなど確定拠出年金の一時金が対象です。60歳でiDeCo、65歳で退職金という受け取り方は、いまは控除の差し引きがかかります。

退職金を65歳で受け取る場合、10年あけるにはiDeCoを55歳以前に受け取る必要がありますが、iDeCoは原則60歳からしか受け取れません。つまり65歳で退職金を受け取る人は、iDeCoを先に受け取っても10年ルールを避けられないということです。

見落とされやすい点:先に受け取った額が控除枠より小さいと、減る控除も小さい

「10年ルールに当たると、重なった期間の控除が丸ごと消える」と説明されることがありますが、それは先に受け取った金額が大きい場合の話です。

先に受け取ったほうの金額が、そのお金自身の退職所得控除額より少ない場合は、重なっている期間を次の年数に短くして計算します(所得税法施行令70条2項)。

先に受け取った額が800万円以下 → 受け取った額 ÷ 40万円 年(端数は切り捨て)
800万円を超える → (受け取った額 − 800万円)÷ 70万円 + 20 年

たとえば、掛金を20年出したiDeCo(控除枠800万円)を600万円受け取った場合、重なりは「600万円÷40万円=15年」とみなされます。退職金の控除から減るのは最大でも15年ぶんの600万円で、20年ぶんの800万円ではありません。

計算例:退職金2,000万円を65歳で受け取る場合

勤続43年(22〜65歳)で退職金2,000万円、iDeCoは40〜60歳の20年で600万円とします。

iDeCoを受け取る年齢何が起きるか税金の合計
60〜64歳(先)iDeCoは控除枠内で非課税。退職金の控除が2,410万円から600万円減って1,810万円に143,497円
65歳(同じ年)43年を通算した控除2,410万円を、合計2,600万円に使う143,497円
66〜75歳(後)退職金は非課税。iDeCoの控除は重なり19年ぶんの760万円が減り、下限の80万円に425,912円

この例では、iDeCoを退職金より後に回すと税金が約28万円多くなり、先に受け取るのと同じ年にまとめるのは同じ税額でした。退職金を先に受け取ったときの「後の」iDeCoの計算にも同じ短縮が働いていて、退職金2,000万円が自分の控除枠2,410万円より少ないため、重なりは19年ぶんとみなされています。

上記は本ページのシミュレーターと同じ計算で出した概算です。

年金で受け取るという選択肢

iDeCoは一時金のほか、5〜20年の年金(分割)や、一時金と年金の組み合わせでも受け取れます。年金で受け取る分は退職所得ではなく雑所得となり、公的年金等控除の対象です。退職所得控除の差し引きの話とは関係しなくなります。

ただし年金で受け取る分は公的年金と合算して課税されるため、税額は年金の額やほかの所得によって変わります。所得が増えることで、国民健康保険料や介護保険料に影響することもあります。このシミュレーターは一時金で受け取る場合だけを計算しています。一時金の税金が大きく出たときは、年金受け取りや併用も含めて、受け取る先の金融機関や税務署で確認してください。

計算の前提

  • 所得税(復興特別所得税を含む)と住民税10%を、退職所得の分離課税として計算しています
  • 退職金もiDeCoも「退職所得の受給に関する申告書」を提出している前提です
  • iDeCoの掛金は、入力した年数のあいだ途切れずに出した前提です。掛金を止めていた期間(運用指図者の期間)は勤続年数に入りません
  • 一時金の額は、受け取る年齢によって変わらないものとして計算しています(運用による増減は考えていません)
  • 年齢は受け取る年の目安です。誕生日と支払月によっては、同じ年齢でも暦年がずれます
  • 2026年1月1日以後に受け取るものとして計算しています
  • 受け取れる最初の年齢は、60歳時点で掛金を出した年数から判定しています。運用指図者の期間も通算されるため、実際にはもっと早く受け取れる場合があります
  • 役員退職金(特定役員退職手当等)、障害者になったことによる退職、2か所以上からの退職金、iDeCoと企業型DCの両方がある場合には対応していません

正確な金額は、退職所得の源泉徴収票や、受け取る先の金融機関・税務署・税理士にご確認ください。

よくある質問

iDeCoの10年ルールとは何ですか?

iDeCoなど確定拠出年金の一時金を受け取った年の翌年から9年以内に退職金を受け取ると、退職金の退職所得控除から、期間が重なっている年数ぶんの控除が差し引かれるルールです。2026年1月1日以後に受け取る一時金から対象になりました。それまでは4年以内(いわゆる5年ルール)でした。

iDeCoと退職金はどちらを先に受け取るのがいいですか?

金額と期間の重なり方で変わります。退職金を先に受け取ると、その後19年以内に受け取るiDeCoの控除が大きく減りやすくなります。iDeCoを先に受け取る場合や同じ年にまとめる場合は、iDeCoの一時金が自分の控除枠より小さいと差がつきにくくなります。このシミュレーターで、自分の金額を入れて比べてください。

iDeCoを先に受け取ると、退職金の控除はどれくらい減りますか?

原則は、iDeCoの掛金期間と勤続期間が重なっている年数ぶんの控除額です(重なり20年なら800万円)。ただしiDeCoの一時金が、iDeCo自身の退職所得控除額より少ない場合は、重なりを「一時金÷40万円」年に短くして計算します。一時金600万円なら15年ぶん、減るのは最大600万円です。

iDeCoを60歳から受け取れないことはありますか?

あります。60歳時点の通算加入者等期間が10年未満の場合、受け取り開始は61〜65歳に遅れます。60歳以上で初めて加入した場合は、加入から5年を過ぎてからです。受け取りは75歳までに始める必要があります。

入力内容は保存されますか?

保存されません。計算はブラウザの中で行い、入力した金額をサーバーへ送信・保存する仕組みは持っていません。

出典

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